理科教師がコーヒーにハマった理由──化学と焙煎は似ている?
私は中学校で理科を教えている、現役の理科教師です。
…ですが、実は最近、心身のバランスを崩してしまい、休職を考えるほどに疲れ切ってしまいました。
そんな私の癒やしになってくれたのが、一杯のコーヒーでした。
それは「ただの飲み物」ではなく、気づけば「自分を取り戻す時間」になっていました。
なぜコーヒーにハマったのか?
それは理科教師という職業と、思った以上に「焙煎」や「味づくり」が似ていたからです。
焙煎は“加熱の科学”そのもの
私は、理科の授業で「加熱実験」や「物質の変化」を教えてきました。
試験管を加熱すると、色やにおいが変わり、焦げたにおいが立ち上る――
そのプロセスが、まさに珈琲の焙煎でも起こっていたんです。
コーヒー豆を焙煎すると、「メイラード反応」という化学反応によって、香ばしい香りや茶色い色が生まれます。
これは、授業でも教える「アミノ酸と糖が加熱されることで起きる反応」で、肉を焼いたときのあの香ばしさと同じ。
初めて自分で焙煎をしてみたとき、「あ、これは実験だな」と直感しました。
抽出もまた、条件制御の楽しさ
もうひとつ、理科好きの私をくすぐったのが「抽出条件で味が変わる」こと。
- 湯の温度を5℃変えると味がまろやかに変わる
- 湯量・時間・豆の粗さでも味の輪郭がガラッと変わる
まるで理科実験の「条件設定」です。
ひとつひとつ検証して、結果を味覚で確かめる──そんなプロセスが、私にとっての癒しになりました。
失っていた「楽しい理科」がここにあった
正直、ここ最近の私は、授業を楽しいと感じられなくなっていました。
忙しさ、保護者対応、生徒との距離感──全部がしんどくて、自分の教科すら嫌いになりかけていました。
でも、コーヒーと向き合っていたとき、
「観察し、変化に気づき、記録し、考察する」
そんな理科の原点に、もう一度出会えた気がしたんです。
これから「珈琲×理科」の自由研究をしてみませんか?
このブログではこれから、「珈琲と科学」の視点でさまざまな記事を書いていこうと思っています。
- 家庭でできる実験のようなコーヒー検証
- 焙煎にひそむ化学反応の話
- 理科教師ならではの“科学視点の自由研究”としての珈琲
気が向いたとき、ふと読みに来てもらえるとうれしいです。
📌 次回は、“メイラード反応”とコーヒーの色・香りの話を予定しています。
kanata/
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