ひとり暮らしを始めて十数年。
好きなときに好きなものを食べて、夜は静かに音楽を流す。
そんな気ままな生活が心地よくて、「このままずっと一人でも平気かも」なんて思っていました。
でも、ある日。
『おひとりさまのエンディングノート』という本を本屋さんで見つけて購入。

読んでいて、ふと思い立ちました。
―もし、明日、自分がいなくなったら?
部屋の中もパソコンの中も、私しか知らないことだらけ。
そんなことを考えたら、少しだけ胸の奥がざわつきました。
本を読んで感じたこと
この本は「死の準備」というより、「自分を見つめ直すためのノート」でした。
“誰かのために”ではなく、“自分のために”書く。
読みながら、なんだか心がすっと軽くなる感覚がありました。
自分の人生を、ちゃんと自分で整理すること。
それって、ひとりで生きる私にとって、とても大切なことなんじゃないかと感じたんです。

思い立って、スプレッドシートを開いた夜
そのまま勢いで、パソコンを開いてスプレッドシートを作りました。
最初のタイトルはシンプルに「エンディングノート」。
本に書きこむ内容をスプレッドシートに書き始めると、どんどん項目が増えていきました。
自分の基本情報
銀行や保険のメモ
医療や介護についての希望
SNSやメール、サブスクの整理
書いているうちに、まるで自分の“今”を見つめる作業になっていきました。
契約していたSNSやサブスクが意外と多いことに気づいたり、
昔のパスワード管理方法に思わず苦笑したり。
「死の準備」というより、**“自分の棚卸し”**をしている気分でした。
作ってみて感じたこと
● 書くのは、少し怖い。でもすっきりする
「万が一」を想像するのは、正直、怖いです。
でも、書き終えたとき、不思議と心が落ち着いていました。
“自分の人生を、きちんと自分の手で整える”って、こんなに静かな安心感をくれるものなんですね。
● デジタルにすることで、心の距離が近づく
紙のノートだと「いかにも終活」という感じがして構えてしまうけれど、
スプレッドシートだと、ただのリスト整理みたいに気軽。
毎年、誕生日の前後に見直そうと決めました。
30代後半・ひとり暮らしの私にとっての“終活”
家族と一緒に暮らしていれば、もしものときも誰かが動いてくれる。
でも、ひとり暮らしだと、自分の暮らしは自分で守るしかない。
だからこそ、「終活」は“生き方の整理”だと思うようになりました。
どう生きたいか、何を大切にしたいか。
その答えが、このスプレッドシートの中に少しずつ見えてきます。
これからの使い方
今は、信頼できる人に「もしものときは、これを見てね」とだけ伝えています。
実際の中身までは共有していません。
でも、「自分の中に整理されたものがある」という事実が、何よりの安心です。
おわりに
エンディングノートって、「死の話」ではなく、「生き方の話」なんだと思います。
誰かに迷惑をかけないためじゃなく、
これからを、より自分らしく生きるために。
スプレッドシートひとつで始められる“デジタル終活”。
思い立った日が、始めどきです。
kanata



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