ある教員の記録 ― 教壇の片隅で考えたこと ―第3章 俯瞰期

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教員の記録 Teaching note|ある教員の記録

第3章 俯瞰期|働き方と自分の限界を知る

半年間の休職を経て、再び現場に戻ることになった。

同じ場所に戻る勇気はなかったので、異動を願い出て、新しい学校での再スタート。

「今度こそ、無理のない働き方をしよう」――そう心に決めての復帰だった。

とはいえ、復帰初日は正直、怖かった。

教室に入るたびに、胸の奥がざわつく。

以前のように全力で走れない自分に、罪悪感を抱いていた。

同時に、あの“戦場のような日々”から離れた安堵もあって、気持ちはずっと揺れていた。

そこから私は、いわば極端なセルフ働き方改革に踏み切った。

部活動は持たない。担任も受けない。

職員室では、必要以上に人と関わらない。

「もう無理をしない」「仕事は仕事、それ以上でも以下でもない」

そんな線引きを、自分に課していた。

今思えば、それは悪い選択ではなかったと思う。

だけど、どこかで「これって本当に自分らしいのか?」という違和感もあった。

淡々とこなす毎日。

楽しくなくて当たり前、やりがいなんて求めるから苦しくなる――

そんな考え方に、自分を押し込めていた。

そして、もうひとつ手放せなかったのが、「元・病気休職者」という肩書。

誰かがそう見ている気がして、

「それならいっそ、その立場を利用してしまおう」と思う瞬間もあった。

けれど、そのたびに心がチクリと痛んだ。

自分が何をしたいのか、どんな教師でいたいのか、わからなくなっていった。

6割くらいの力で取り組んだ仕事が、なぜか高く評価された。

「これでいいの?」「今までの努力は何だったんだ?」

そんな疑念ばかりが頭を巡っていた。

全力で走って壊れたあの頃。

そして、力を抜いても評価される今。

そのどちらにも、本当の自分はいない気がしていた。

第4章 揺らぎながら、教師としての“軸”を探して

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